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駿河湾(静岡県)入賞

「初孫と一緒に見た駿河湾」

海の方から涼しい風が吹いて来た。暑い日差しに照らされて、体中が汗ばんでいたので、その風はさわやかでなんとも心地よい風だった。
「海風って、当然なのだけど、潮の香りがするもんですねえ。とても気持ちがいいです」駿河湾を見渡せる、展望台のある高台から、家々のある街並みの一帯を眺めながら、お嫁さんの母上に、景色に感激し話かけたものだ。
母上は初孫を抱いていらっしゃった。その孫は私にとっても初孫。確か六か月になろうとする頃の出来事だった。お嫁さんの父上が、「市川に長く住んでいらっしゃって、お母さんは、まだこちらの駿河湾を一度もご覧になってないんですか?それでは私どもがご案内しますよ」と、初孫見たさの一心で伺っていた私を、ドライブに連れ出してくださった。
お嫁さんのご両親は、静岡県駿河区にお住まいだった。新幹線に乗った時には、車窓からみていた富士山を、息子の結婚で御縁ができて、すぐ近くで見ることの不思議さ。ましてや風光明媚な駿河湾を、初孫と一緒に眺める幸せ。心の中は喜びで満ち溢れんばかり。「今度はお母さんが抱いてください」と母上。「はいはい。市川ばあばにいらっしゃい!」にこにこしながら、大切な孫を受け取った。
孫を抱っこしてあやしながら、一緒に見た駿河湾は、波はとても穏やか。光の反射を受け、水面が鏡のようにキラキラと輝いていた。フェリーがすべるように行きかい、まるで一服の絵を見ているような、美しい景色だった。
「ご一家の皆さんは、こんなステキな場所で、この景色に見守られ、生活されて来られたんですね。『羨ましいな』の一言につきます」ジッと眺めていると、眠気を誘い込むような、おだやかでたおやかな、駿河湾の風景に見とれて、こんな感想を私はもたらしたものだ。
「ここで生活していると、これが当たり前。そういって、ほめて下さると嬉しいですね」父上の返礼を噛みしめながら、帰途に着いた。
ペンネーム:吉村さつき / 千葉県

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